活動紹介
「入会」という文化
活動の概要
母なる富士の懐で、自然の恵みを享受し、分かち合う入会の精神を守り、引き継ぐ。
富士山が世界文化遺産に登録されて以降、国際的にも注目を集め、富士北麓地域はさらなる発展に向かって前進を続けています。現在は可能性に満ちたこの地域も、その昔は火山灰地で土壌が痩せ、気温も低く農耕に適していなかったことから、人々の暮らしは苦しく、生きるための糧は森や野山から得ていました。その中で、富士山北面の旧11ヶ村(上吉田村、松山村、新屋村、下吉田村、新倉村、大明見村、小明見村、山中村、平野村、長池村、忍草村)の人々は、限りある自然の産物を分かち合うために「入会」という文化を築き上げていったのです。
本組合は入会御料地や旧11ヶ村の共有地を統制管理するために明治時代に設立され、現在の「富士吉田市外ニヶ村恩賜県有財産保護組合」へと発展していきました。昭和時代に、大部分が北富士演習場となり、大きな制約を受けるようになりましたが、「北富士演習場内国有入会地の使用に関する協定」を国と締結するなど、この地が有する入会権の擁護に努め、入会住民の幸せや富を創出する任務を遂行してまいりました。入会権を堅持し、未来へと引き継いでいくことは、設立当初から現在に至るまで一貫した本組合の責務であり使命です。そして令和という新しい時代を迎えた今、私たちも「新たな入会」の時代を切り拓く時がやってきました。先人たちのたゆまぬ努力の歴史を忘れることなく、この尊い財産を守り、活かしながら未来につなげていくために、本組合は力強く挑戦していきます。
長期的な視野で、森林の可能性を引き出す。
私たちの入会地は約8100ヘクタールに及ぶ広大なものです。そこにはたくさんの動植物が生息するなど貴重な生態系が確立され、また溶岩流など富士山の麓の地域ならではの地形も見られる自然の宝庫です。清らかな富士山の伏流水はさまざまな産業にも活用され、美しい景観は世界中の人々を魅了してやみません。かつては生きるための糧を得る場であった入会地も、今は木材、エネルギー、産業、教育、健康増進など、入会住民の生活の充実と地域経済の活性化に寄与する、新しい時代に即した役割を担うようになりました。私たちの誇りであるこの自然環境を守り、豊富な森林資源が有する無限の可能性を引き出すためには、森林の保全・維持管理を行うと共に、今後の森林整備事業も計画的に取り組むことが重要です。
本組合では豊かな森林資源を次世代に継承していくために、長期的な視点に立ち、使命感をもって森林の保全並びに活用に関するさまざまな取り組みを推進しています。
百年の森づくり構想と広報誌
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4つの事業
豊かな未来のために、継続的な発展を目指す
恩賜林アーカイブ
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