木質バイオマス
再生可能な、生物由来の有機性資源
木質バイオマスとは
「バイオマス」とは、生物資源(bio)の量(mass)を表す言葉であり、「再生可能な、生物由来の有機性資源(化石燃料は除く)」のことを呼びます。そのなかで、木材からなるバイオマスのことを「木質バイオマス」と呼びます。
木質バイオマスには、主に、樹木の伐採や造材のときに発生した枝、葉などの林地残材、製材工場などから発生する樹皮やのこ屑などのほか、住宅の解体材や街路樹の剪定枝などの種類があります。
一口に木質バイオマスといっても、発生する場所(森林、市街地など)や状態(水分の量や異物の有無など)が異なるので、それぞれの特徴にあった利用を進めることが重要です。
木質ペレットって何?
化石燃料に替わり、地球環境に優しいエネルギーとして注目を集めているのが木質ペレット燃料です。森林資源豊かな日本にとって効率的にエネルギーを作り出すことができる燃料です。木材バイオマスからなる再生可能な、生物由来の有機性資源である木質バイオマスの1つであり、間伐材や木を伐採したあとに残った木を利用し、オガ粉にして、さらに圧縮をかけ、接着剤を一切使わないで固めた燃料です。
パンフレット
造林事業の側面から
恩賜林組合の仕事のひとつである森づくり(造林)。富士山北面に広がる、およそ8、100ヘクタールの森林原野を管理し、手入れを行うことにより木材やきのこを生産する物質生産機能、洪水や水不足を防ぎながら、きれいな水をつくる水源涵養機能等の「森林の多面的機能」が十分に発揮され、私たちが安全で安心できる生活をおくるのに役立っています。
森林の手入れには、植栽から始まり、下刈、間伐等、様々な作業があります。この手入れを行うことにより毎年およそ3、480トンの木材が発生します。
化石燃料から自然エネルギーへ
私たちの多くが使うストーブやボイラーは、原油からつくられた燃料(エネルギー)を使っています。これらは化石燃料といい、太古の昔に地球の奥深くでつくられたとても貴重なもので、いずれなくなってしまうと考えられています。また、化石燃料から発生するCO2(二酸化炭素)は地球温暖化の原因のひとつであり、現在、地球上で起こっている気候変動を引き起こしている原因と言われています。
それに比べ、木材資源からできる燃料(エネルギー)は、これらの問題を解決してくれるエネルギーです。化石燃料とは違い、森林資源は再生可能な資源であり繰り返し使うことができます。また、日本の国土面積のおよそ70%が森林で、さらに山梨県においてはなんと78%が森林なのです。このことから私たちの暮らしのすぐ近くに森があるため、地域のエネルギーを地域で使う循環型システムをつくることが可能です。
「森とともに」
私たちの先祖は、寒いこの地で生きていくために、森へ行き、山の恵みをいただいてきました。それは食となり、熱となり、私たちが生きるためのエネルギーとなっていました。
つまり、森からのエネルギーを受け、森とともに生きてきたのです。時代の流れで、我々の生活スタイルは変わり、森からのエネルギーを必要とする人は少なくなりつつありましたが、今再び、地球の環境にやさしく再利用できる森のエネルギーが見直されるようになってきました。
木質バイオマスエネルギーは、繰り返し使うことのできる循環型エネルギーです。遠い昔から、私たちの先祖が富士山北面の自然とともに生きてきたおかげで、富士山には豊かな森があり、今、私たちはその森の恵みから木材資源を利用した新しいエネルギーを利用することができます。
その森の恵みから木質バイオマス活用事業を行うことが、現代において「森と生きる」方法の1つであり、この豊かな資源を未来に引き継ぐための方法なのです。